スカウトを受け取るための「職務経歴書」の書き方

施設が目を止める職務経歴に仕上げるために

職務経歴書はあなたのプレゼン資料だと考えてください。
これまでの経験をただ時系列で書き連ねても、「何のプロフェッショナルであるか」を伝えられなければ意味がありません。
まずは「自分は何で成果を出せる人間なのか」を明示したうえで、それを証明する事実を書くことが大切です。

職務要約

職務要約には、「何を行っている会社で」「何名規模の定員数で」「~年」「何をしたのか」を記載します。ご自身がこれまで「何をやってきたのか」、そのうえで「何ができるのか、何に秀でているのか」が分かるように記載しましょう。施設側が読みやすい文章の長さは400字前後です。あまりにも少なすぎても内容が薄くなりますし、長すぎても何を伝えたいのか要点が掴めません。このことを意識して記載することをおすすめします。

職務要約のポイント

1. 経験とその成果は具体的な数字や事実で表現する
2. 主観的な内容や表現は排除し、客観的に事実を伝える

ポイント(1)経験とその成果は具体的な数字や事実で表現する

✕悪い例 新園の立ち上げ
○良い例 園児数18名の2歳児クラスの担任として新園の立ち上げ。開園のための事前準備から業務を行う。

ポイント(2)主観的な内容や表現は排除し、客観的に事実を伝える

✕悪い例 ・~に関心があります/~と自負しております/~に抜擢されました
・これまでのキャリアを生かせる環境を探しております
○良い例 〇〇年の経験を経て主任/副主任に昇格

スキル

スキルには、プロフェッショナルとしてこれまで身につけたテクニカルスキル(*2)とポータブルスキル(*3)などをまとめて記載します。5~10個程度設定することを推奨しています。ご自身の経歴を振り返り、アピールしたいものを選んで記載しましょう。多すぎると、要約力がなく、優先順位がつけられていないような印象を与える可能性がありますので注意してください。

  • 〇新規立ち上げ・組織マネジメント能力
  • 〇SNSの運用経験
  • 〇継続的・接続的な遊びの立案能力
  • 〇チームビルディングや、組織文化の生成能力
  • 〇研修体系の構築、コーチング理論を使った指導能力

(*2)テクニカルスキルとは
特定の業界や職種で必要とされる能力のことです。求人票に記載されている「✕✕経験〇年」の✕✕に入るものなど、仕事や業務を適切にこなすために必要な能力です。特定の業界の商品知識やツール、システムの使用経験なども含まれます。

(*3)ポータブルスキルとは
特定の業種や、職種、時代背景などに左右されない能力のことです。明確に「~年経験した」と言い切ることのできないものが多いです。対人力、対課題力、対自分力の3つに分けて考えてみましょう。
例:傾聴力(対人力)、逆算思考力(対課題力)、決断力(対自分力)

職務経歴詳細

職務経歴詳細は、職務要約を細分化したものです。「いつ」「どんな部署にいて」「何をして」「どんな成果を出したか」「その成果を出すために注力したポイント」などに分け、業務内容ごとに、200字前後でまとめましょう。ヘッドハンターや、企業の採用担当者からは、直近の経歴だけでなく、最低でも2つ以上の経歴を見たいという声が多いです。なるべく複数の業務内容を記載しましょう。

ポイント

「施設名」「資格」「役職」「在籍期間」は正確に記載する
経歴のなかでアピールしたいものに絞って説明する。特に「直近2つ以上の業務内容と実績」

記載例

1.学校法人▲▲▲(2015年4月~2018年3月)
●●●保育園配属(職員数30名 園児数40名)

≪雇用形態・資格・役職≫

雇用形態:正社員

資格:保育士
保育士等キャリアアップ研修受講済み
・乳児保育
・幼児教育

役職:一般職

≪担任業務≫

1歳~2歳児クラスの担任(1歳児を2年、2歳児を1年担当)

≪職務内容≫

日々の保育計画立案・教材や玩具の手配・実践
保護者面談・保育相談・行事準備 など

 

2.学校法人■■■(2018年4月~在籍中)
●●保育園配属(職員数40名 園児数120名)

≪雇用形態・資格・役職≫

雇用形態:正社員

資格:保育士
保育士等キャリアアップ研修受講済み
・乳児保育
・幼児教育

役職:学年主任

≪担任業務≫

0歳~3歳児クラスの担任を3年担当
学年主任としての業務(学年全体管理、学年単位の保育計画立案・次年度への調整)

≪職務内容≫

各クラスのサポート
後輩・実習生の指導教育、連絡帳、各種書類の添削
他学年との調整 など

行事の進行担当業務(全体の管理から当日の進行、行事後のフィードバックまで)
・計画立案、必要品の手配や準備
・会議の進行
・各担当への分担、業務進捗確認 など